BizteXにおける管理部の自動化事例
AI inside 幸田:今日は、「AI-OCR「DX Suite 」とクラウドRPA「BizteX cobit」でできること 〜管理部責任者が語る、業務改善取り組み事例〜」というテーマで、Biztexの方々にお越し頂きました。
本セミナーでは、実際に、BizteX様の社内におけるBizteX cobitとDX Suite を組み合わせた活用事例をお伺いしたいと思います。
それでは、辻井様よろしくお願いいたします。
自動化の対象業務:請求書の受領~請求情報の入力~経費計上
BizteX 辻井: 本パートは辻井が担当させて頂きます。改めましてよろしくお願いします。
この図は経理業務で多くの会社で発生する、売上サイドの申込書処理と費用サイドの請求書処理フローです。
各社によって、業務フローは若干異なるかと思いますが、だいたいは似たようなフローだと思います。

当社における売上サイドの業務フローは下記の通りです。
- 1. 申込書を受領し、社内共有
- 2. その内容をGoogleのスプレッドシートに記載し、
- 3.そのスプレッドシートを見て、管理システムに情報を入力
また、費用サイドにおける業務フローは下記の通りです。
- 1. 担当者が請求書を受領し、紙又はPDFで社内共有
- 2.その内容を管理システムに入力 、
- 3.管理システムから振込データを出力し、振込手続きを実施
その中で今回、紫の点線内のフローが現時点で自動化の構築に成功しましたので、具体的にご説明したいと思います。
自動化の成果:支払い申請における3つの業務と転記作業を自動化

上段が自動化前、下段が自動化後です。
具体的には、赤枠の中の「3業務を自動化」「転記作業を自動化」の部分が大きく変わっています。
この赤枠の中の業務が一番手作業があり手間で、ミスも生じやすい部分ですが、DX Suite とBizteX cobitを併用することで劇的に変わります。
具体的には、人の手で行うのは、
- 新規取引先に対する勘定科目の設定
- 費用負担部門等の登録
をするだけで良いという点です。
継続取引の場合は次月以降、自動で勘定科目も仮登録してくれますので、チェックだけでOKとなります。
業務の自動化に積極的に取り組む理由
次に、私が「なぜ」DX Suite / RPAを活用して業務の自動化に取り組むのかについて、お話しさせていただきます。
本日は管理部門所属の方や管理部門へご提案される方もいらっしゃるかと思いますので、参考までにお聞きいただければと思います。
管理部業務における3つの課題
前提として、管理部門においては、取引先から共有された書類やPDFファイルをシステム等に入力してDB化するというのは管理上、避ける事の出来ない業務です。
一方で、そういった労働集約的な業務に大きな人的リソースが割かれている事が一般的です。
DX Suite とBizteX cobitを活用することで、まさにその業務を自動化をし、管理部門の働き方を変えられる可能性があると考えています。
では、そもそもなぜ管理部門の働き方を変えなければいけないのか。
私が管理部門の課題として感じることがこの3つです。

管理部門の課題①:メンバーへの業務負荷の集中
一つ目として、「業務が集中して発生し、メンバーに負担がかかりやすい」事です。
管理部門は毎月ルーティン業務があり、期日も決まっていて、かつ短期間に集中するということが多いんです。
スポットでの外注だったり新規雇用という選択肢もありますが、コスト割高だったり、実際には他の会社でも管理部門の繁忙期は同じ時期です。
したがって、現実的にこれらの選択肢を実行することは難しく、既存社員が「努力」で乗り切るということになりがちです。
結果的に、社員は肉体的にも精神的にも疲弊するリスクがあります。
管理部門の課題②:業務量の変動による人員不足
二つ目に「業務量増加(時期、事業拡大)による人員不足、ミス増加」です。
先ほどの内容と重複しますが、疲弊した状態で「重要な業務を遂行している」ため、ミスも発生しやすい状況が続きます。
また、会社の規模が拡大し、業務量が増えていくと、期間集中型の業務という特性から、繁忙期は終電近くまで残業するが、それ以外の時期は比較的に工数に余裕があるといった状態になりがちです。
したがって、追加で採用するという意思決定が難しいのが実態です。
また、管理部門の給与水準も年々高騰しています。
新規の採用も難しくなってきているため、管理部門は慢性的な人手不足という状況に陥りやすいという事を理解しておく必要があります。

管理部門の課題③:マネジメント工数の増加
三つ目に「モチベーション維持や安定稼働のためのマネジメント工数の増加」です。
私はこのような状況下で業務をさせてしまうこと自体が管理者側の責任だと思っていますが、改善しなければ、従業員は疲れてしまいますし、実際にミスが発生した際も従業員は責任を感じてしまいます。
そのため、どんなに会社や自社サービスのことが好きでもモチベーションは絶対に下がってきます。
また、それを回避するために、単純作業の従業員を増やすという手段を取るケースもあります。
一方で、キャリア形成の部分でマネジメントが難しくなるため、その点も考慮した意思決定が必要となります。
>>RPA導入事例全文を読む 営業・マーケティングの進捗管理を簡易化!バックオフィスの作業工数を大幅削減【株式会社ニット】
総括
以上のことから、私は管理部門における業務の効率化・自動化は必須であり、優先事項として実施していくべきだと考えています。
また、これらをDX Suite / RPAを活用することで改善できると期待していますし、本日お話しさせて頂いたように一部の業務は既に自動化に成功しています。
この組み合わせは管理部門の業務にとどまらず、紙やPDFがあり、それをデータ化する必要のある全ての業務に可能性があると考えています。
以上、本日はありがとうございました。

編集後記
同社における「DX Suite 」および「BizteX cobit」を活用した業務改善・自動化の取り組みは、
- 管理部業務の繁閑の大きさ
- 単純作業の多さゆえの個人のキャリア形成の問題
- 管理部人材の採用難
といった管理部門特有の課題を解決するものであるという非常に示唆に富む内容だったのではないかと思います。
同時に、AI-OCRやRPAにおける様々なユースケースが世の中に広まり、管理部門以外で働く多くの人々の課題が解決される未来が期待出来る内容と言えるのではないでしょうか。
登壇者の皆様、ありがとうございました!
